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#005 海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群
熊川宿
若狭地方のほぼ中央部、山峡にある熊川宿は、江戸時代に若狭街道の物資流通の中継拠点として繁栄した。保存地区は東西方向に通る街道筋に形成された旧宿場町の大部分を占め、街道沿いには前川と呼ばれる水路が流れる。屋敷への出入口に石橋が架かり、所々に「かわと」と呼ぶ洗い場がある。平入と妻入の町家主屋が入り交じり、変化ある町並景観を構成している。
若狭街道ルートの物流の中継拠点。近江国との国境に接し、軍事上、物流上の要衝として重要な役割を担った宿場町。秀吉から若狭国を与えられた浅野長政が関所を置き、天正17年(1589)に諸役免除の判物を出して商家を集め、問屋街と宿場を整備し、近世的な宿場町として発展する礎を作った。小浜市場と連携した問屋が、馬借や背負を手配し、小浜港に揚がった諸藩の蔵米や、昆布、鰊などを京都に運ぶ中継地として活況をみせた。 現在の熊川の旧街道筋には、塗り壁の商家や土蔵など多数の伝統的建造物が保存され、当時の宿場の賑わいを伝えている。
【文責】 小浜市文化交流課
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