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#020 自然と信仰が息づく『生まれかわりの旅』
松例祭の大松明行事
出羽三山神社で12月31日から1月1日にかけて行われる行事を中心とし、歳夜祭とも呼ばれる。羽黒修験の冬の峰の結願の行事として行われてきたもので、現在では手向地区の若者達によって担われている。12月30日には手向地区の若者が神社に集まり「位上方」と「先途方」 に分かれて二本の大松明を作る「大松明まるき」が行われる。翌31日は手向地区の若者達によって「庭上」と呼ばれる神社境内や「補屋」と呼ばれる建物の中で、賜酒や綱さばきなどの儀礼が行われる。夜11時過ぎには庭上で上下に分かれた若者によって大松明引きが行われ、その勝ち負けと大松明の燃え具合によって翌年の豊作や豊漁を占う。この後、庭上では国分神事や新たな年の火をきり出す火の打替が行われて、新年を迎える行事が終了する。(※解説は指定当時のもの)
「松例祭」は地元の手向地区から選ばれた「松聖(まつひじり)」とよばれる2名の長老山伏が主役の祭りで、「冬の峰」100日間の修行で得た験力が試される祭でもある。「大松明行事」は、開祖蜂子皇子が悪鬼を退治して疫病を鎮めたという故事に由来する。悪鬼に見立てた大松明に放たれた火が柱のように立ち上り、宵闇を染めていく様は幻想的でもあり、こうして災厄は焼きつくされ山頂は新しい年を迎える。
【文責】 山形県文化財活用課
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