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#029 飛騨匠の技・こころ
安国寺経蔵
国府町西門前にある太平山安国寺は、臨済宗妙心寺派の古刹で、本尊は釈迦牢尼仏、脇侍を文殊菩薩・普賢菩薩とする三尊仏です。 室町幕府を築いた足利尊氏・直義兄弟が、夢窓国師の勧めで国土の安寧を図るため、貞和元年(1345)の光厳上皇院宣により、国ごとに安国寺と利生塔の設置を進めた。飛騨では以前からあった少林寺の寺号を安国寺と改め、京都南禅寺から瑞巌和尚を開山として迎え、貞和3年(1347)に創建された。安国寺経蔵は、応永15年(1408)建立で、飛騨における唯一の国宝建造物である。全体的に禅宗様が中心であるが、所々に和様が加わった折衷式の建物となっている。 内部の八角輪蔵は国内における現存最古の輪蔵(回転書架)である。この輪蔵には当時、明(現在の中国)から入手した元版大蔵経(現存2208帖)が納められている。
古代寺院が多数見つかり、古代における飛騨匠の活動の一大拠点でもあった。国府地域では室町時代の社寺建築が今も多数残り、当時の匠達の技術を伝える。
【文責】 高山市教育委員会事務局文化財課
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