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2023.12.28

文化庁

「日本遺産フェスティバルin 桑都・八王子」が開催されました!

日本遺産フェスティバルで賑わう様子

東京で唯一、「霊気満山 高尾山 ~人々の祈りが紡ぐ桑都物語~」として、令和2年6月に日本遺産に認定された八王子市。今回、東日本で初めてとなる日本遺産フェスティバルの開催地に選ばれました。

当日は、J:COMホール八王子で開会式とオープニングイベントを、東京たま未来メッセではPR・体験ブース展示や日本遺産公開講座、日本遺産分科会を実施。2日間で、多くの方が来場し、日本遺産の魅力を体験してもらいました。

オープニングでは「八王子車人形」「八王子芸妓」の演目も披露

開催初日となる11月4日(土)には、J:COMホール八王子で開会式とオープニングイベントを実施。前半は、八王子観光PR特使の冨永 裕輔さんによる歌の披露、日本遺産フェスティバルの紹介映像、八王子芸妓による演舞披露、開会式が行われました。

八王子観光PR特使 冨永 裕輔さん 八王子観光PR特使 冨永 裕輔さん

日本遺産フェスティバルの紹介映像 日本遺産フェスティバルの紹介映像

八王子芸妓による演舞披露 八王子芸妓による演舞披露

開会式では、文部科学副大臣 今枝 宗一郎氏、開催地を代表して 八王子市長 石森 孝志氏、観光庁 審議官 石塚 智之氏、衆議院議員 萩生田 光一氏の4名が挨拶をしました。

文部科学副大臣 今枝 宗一郎氏 文部科学副大臣 今枝 宗一郎氏

八王子市長 石森 孝志氏 八王子市長 石森 孝志氏

観光庁 審議官 石塚 智之氏 観光庁 審議官 石塚 智之氏

衆議院議員 萩生田 光一氏 衆議院議員 萩生田 光一氏

基調講演、パネルディスカッション

多摩美術大学理事長 元文化庁長官 青柳 正規氏 多摩美術大学理事長 元文化庁長官 青柳 正規氏

後半は、多摩美術大学理事長 青柳 正規氏による「日本遺産制度の背景とこれから」と題した基調講演と、「地域の文化資源をミライへ(世界へ)」をテーマにしたパネルディスカッション、八王子の伝統芸能「八王子車人形」の演目の披露が行われました。

パネルディスカッションの様子

【パネルディスカッションの登壇者】
・コーディネーター:丁野 朗氏
・パネラー:大本山髙尾山薬王院 貫首 佐藤 秀仁氏
・八王子車人形西川古柳座 五代目家元 西川 古柳氏
・八王子芸妓 めぐみ氏
・コメンテーター:青柳 正規氏

パネリストは、伝統芸能の継承の難しさ、外国人に日本の文化を伝えるには説明をするだけでなく、相手国の文化を理解することの重要性などについて話し合いました。
記念講演 八王子車人形および説経浄瑠璃

八王子車人形西川古柳座 五代目家元 西川 古柳氏 八王子車人形西川古柳座 五代目家元 西川 古柳氏

オープニングイベントの締め括りとして、八王子車人形西川古柳座 五代目家元 西川 古柳氏による『日高川入相花王』より「渡し場の段」が披露されました。通常の文楽(人形浄瑠璃)では、1体の人形を3人で操りますが、八王子車人形では「ろくろ車」と呼ばれる車をおさめた箱に腰掛け、一人で人形を操ります。この「一人遣い(ひとりづかい)」により、独自の躍動感が生まれるのが八王子車人形の特徴です。

日本遺産PR・体験ブースも大盛況!

メイン会場となった東京たま未来メッセ 東京たま未来メッセ

メイン会場となる東京たま未来メッセ1階では、日本全国にある日本遺産のPR・体験ブースを設置。

それぞれのブースではオリジナルの衣装を身にまとった方々が、ストーリーの内容を詳しく説明しました。

展示会場の様子

日本遺産にまつわるグッズや特産品の販売、参加型のプログラムを用意するなど、個性豊かなブースが並びます。
会場内3階では八王子織物展を開催。多くの方が足を止め、八王子織物の美しさを肌で感じました。

八王子織物展 八王子織物展

開催初日の4日には、大本山髙尾山薬王院 貫首 佐藤 秀仁氏による「柴燈護摩(さいとうごま)」も行われました。

柴燈護摩(さいとうごま)の様子

会場内では、子どもから大人まで楽しめるワークショップも!
会場内では、「おかしでつくろう!かいこくん」「桐生織コースター作り」「デカンショ節 踊り方のレクチャー」など、誰でも参加できるワークショップも開催。

同時開催
「伝承のたまてばこ 〜多摩伝統文化フェスティバル2023〜」

八王子車人形

JR八王子駅から延びるユーロード、中町公園、桑都テラスなどでは「伝承のたまてばこ 〜多摩伝統文化フェスティバル2023〜」も同時開催。街中で八王子の伝統文化であるお囃子、八王子車人形、八王子芸妓衆による演舞の披露が行われ、イベントをさらに盛り上げました。
桑都テラスでは、八王子車人形 西川古柳座が、天下泰平、国土安穏、五穀豊穣を祈るお祝いの踊り『三番叟』を披露しました。

中町公園では、八王子芸妓衆が『吉原雀』『神楽面』『露は尾花』『並木駒形』『八王子の四季』の演目を披露。多くの方が足を止め、踊りに見入っていました。

八王子芸妓衆による踊りの披露

開催地、八王子市が日本遺産フェスティバルにかけた思い

八王子市教育委員会 生涯学習スポーツ部 部長 平塚 裕之さん

八王子のPRブースで、同市教育委員会 生涯学習スポーツ部 部長 平塚 裕之さんに、開催地としての思いを伺いました。

平塚さん:今回、東日本初開催ということで、1年ほど前から準備を進め、市民の方、関係者とも今日をとても楽しみにしていました。想像以上に盛況で、どの日本遺産PR・体験ブースでも「配布するものがなくなってしまった」という嬉しい悲鳴も聞いております。街の賑やかさだけではなく、八王子の伝統文化である八王子車人形、八王子芸妓、山車など、多様な歴史がまだ続いていることを、来場者の方に評価していただいたことも嬉しいことですね。

平塚さん:これからの伝統芸能、文化を引き継いでいくのは、今の若い方たちです。子どもたちが10年後、20年後にもしかしたら伝統文化の担い手になっていることもあると思うので、今回はお子さん向けのメニューも用意して、親子連れで楽しんでいただけるイベントになるよう工夫をしました。それが八王子の文化を守っていくことに繋がっていくと思っています。
また、八王子市民の方にとっても、記憶に残る良いイベントになったと思います。日本遺産フェスティバルは単なるイベントではなく、これを契機に地元八王子の中で伝統文化などにもう一度興味を持っていただいて、地域の資源を使って街をどう活性化していくかに繋がることが大切だと思っています。「イベントで大勢の方が来てよかった」で終わらせるのではなく「次はどうする?」と、それぞれが繋がっていければ、それが本当の成功かなと思っています。

ここでしか手に入らない「御城印」は、列ができるほどの盛況ぶりでした。

全国各地の日本遺産を「識(し)る」、日本遺産公開講座

4日(土)には、日本遺産にまつわる歴史や文化について、4会場全25の公開講座を開催。日本遺産のストーリーとその魅力について、現地の方が詳しく解説をしました。

日本遺産同士の繋がりを深め、未来を考える
「日本遺産分科会2023」

11月5日(日)には、東京たま未来メッセ3階会議室にて、日本遺産のストーリーを生かした地域づくり・魅力発信を、垣根を越えてテーマごとに話し合うシンポジウム「日本遺産分科会2023」が開催されました。

今回は「染織」「山岳信仰・修験」「食」の3つをテーマに、それぞれの日本遺産に関わる方々が、日本遺産に関連する取り組みや事業について説明。より身近に、より多くの方に日本遺産の魅力を感じてもらえるためにはどうするべきか、ディスカッションを行いました。
【第1分科会「染織の文化」 ―染物 織物の技と美―】
・かかあ天下 ―ぐんまの絹物語―
・山寺が支えた紅花文化
・藍のふるさと 阿波 〜日本中を染め上げた至高の青を訪ねて〜
・霊気満山 高尾山 〜人々の祈りが紡ぐ桑都物語〜
【第2分科会「山岳信仰・修験の文化」~信仰の文化がつなぐ人・地域】
・六根清浄と六感治癒の地 〜日本一危ない国宝鑑賞と世界屈指のラドン泉〜
・自然と信仰が息づく『生まれかわりの旅』〜樹齢300年を超える杉並木につつまれた2,446段の石段から始まる出羽三山〜
・江戸庶民の信仰と行楽の地 〜巨大な木太刀を担いで「大山詣り」〜
・「葛城修験」 ―里人とともに守り伝える修験道はじまりの地
【第3分科会「食文化」を活かした地域活性化に向けて】
・丹波篠山デカンショ節 ―民謡に乗せて歌い継ぐふるさとの記憶―
・地蔵信仰が育んだ日本最大の大山牛馬市
・鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴 〜日本近代化の躍動を体感できるまち〜
・森林鉄道から日本一のゆずロードへ ―ゆずが香り彩る南国土佐・中芸地域の景観と食文化―
【総括討論】

分科会の最後には、丁野 朗氏をコーディネーターに、それぞれの分科会の内容を振り返る総括討論を開催。「各分科会の討論によって見えてきた地域連携や事業連携」「〝ジャパンブランド〟として、外国の方へ日本遺産の魅力の伝えるためには」といったテーマで、それぞれが今回の分科会で得た気付きや、今後の展望について語りました。 
2日間にわたって開催された「日本遺産フェスティバル in 桑都・八王子」は、大盛況のうちに幕を閉じました。

山車と居囃子の様子 JR八王子駅からメイン会場の東京たま未来メッセまでの「アイロード」では、山車と居囃子が披露され、街中が盛り上がりを見せました。

日本遺産ファンの方はもちろん、今まで日本遺産に触れる機会のなかった方にとっても、日本全国の魅力に触れていただく良い機会となりました。
来年度の日本遺産フェスティバルは、福島県会津若松市で開催予定です。ぜひ、まだ知らない日本遺産の魅力を現地で発見してみてください。

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