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2024.03.11

文化庁

2月13日は「日本遺産の日」!2024年もイベントを開催しました。

毎年2月13日は、「2(にほん)13(いさん)」の日。今年も、2024年2月10日(土)〜12日(月・祝)の期間にベントを開催しました。

今回のイベントは、ゲストを迎え日本遺産の魅力を語る「日本遺産の日シンポジウム」と、各日本遺産が独自の魅力を伝えるPRブース「日本遺産マルシェ」の2本立て。多くの方に、日本遺産の魅力に触れていただく機会となりました。この記事では、当日のイベントの様子をレポートします。

観世能楽堂では「日本遺産の日シンポジウム」を開催!

イベントの初日となる10日(土)18時からは、GINZA SIX地下3階にある観世能楽堂で「日本遺産の日シンポジウム」を開催しました。たくさんのゲストを迎え、日本遺産の魅力について発信。会場内はほぼ満席状態で、来場者は演奏や舞の披露、トークセッションを楽しみました。

シンポジウムは、日本遺産大使である能楽師の大倉正之助さんとギタリストのマーティー・フリードマンさんのコラボによる日本遺産テーマソングの演奏から始まりました。

その後、開会に先立ち、主催者を代表して盛山正仁文部科学大臣が挨拶を行い、日本遺産「日本海の風が生んだ絶景と秘境―幸せを呼ぶ霊獣・麒麟が舞う大地『因幡・但馬』」から、麒麟獅子の舞が披露されました。
盛山正仁文部科学大臣
浦富熊野神社麒麟獅子舞保存会による『因幡・但馬の麒麟獅子舞』

日本遺産の日スペシャルコーナーでは、大倉正之助さん、マーティー・フリードマンさんに加え、同じく日本遺産大使であるEXILE USAさんがトークセッションを行いました。

大倉さん:能楽堂は、私のホームグラウンドです。元々、奉納芸能は、神仏やご先祖様たちに捧げるもの。芸能の原初の姿、それがこの場でもあるというのが日本遺産にふさわしいと思います。この場所で日本遺産のイベントを開催できていることが、とても良いなと思っております。

マーティさん:海外の方は、僕の音楽だけではなく、日本についても興味を持っている方がたくさんいらっしゃいます。日本語の勉強を始めたという方もいますね。僕の音楽経由で、日本の素敵な文化を発見する。大使としての責任を感じながらも、光栄で嬉しいです。

USAさん:僕は、全国の日本の祭りを巡る旅を続けています。今日披露された麒麟獅子の舞も現地で観てみたいなという思いが溢れてきました。いろいろな踊りを経験してきましたが、日本にもまだまだ踊りがたくさんあるので、たくさん巡って体に染み込ませたいですね。
 

シンポジウムの最後には、「ブラタモリ流・地域の魅力再発見」をテーマに、日本遺産の魅力を深掘りするトークショーが行われました。

【登壇者】------------------------------------------------------------
・NHKブラタモリチーフ・プロデューサー 竹下健一郎さん
・公益財団法人 日本観光振興協会総合研究所 顧問 丁野朗さん
・敦賀市文化振興課 主幹 中野拓郎さん
・株式会社アンドアイ 代表取締役社長 室田明里さん
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竹下さん:日本遺産のストーリーを『知りたい』と思えるような仕掛けを考える必要があると思っています。受け取り手がどんな『得』を得られるのか。それには、優れた語り手も必要だろうし、どういう順番で情報を出していくのかも大切です。ブラタモリの制作では、そうした部分を意識して頑張っています。

丁野さん:日本遺産というのは非常に優れた物語だし、やっぱり面白いですよね。ただ、面白いだけでは駄目なんです。地元の方にちゃんとわかっていただくことが必要で、地域体験をしてもらうことで物語を事業にする、あるいは経済にする。そういったことも必要だと考えています。


室田さん:日本遺産の地域には、日常の風景の中に文化があると思っています。観光の世界では『今だけ、ここだけ、あなただけ』という言葉がありますが、日本遺産を訪れる時には、現地でしか気付けないこと、空気感のようなものを感じていただきたいですね。

中野さん:敦賀では今、敦賀中にある文化財、これから文化財になりそうなもの、あるいは言い伝えや習俗を調べてどう保存していくかを考えています。また、敦賀の中でも、それぞれのものをストーリーとして集める取り組みもしていて、地元の方からも『面白い』と思っていただけるようなことを考えているところです。
 

会場内には日本遺産の紹介パネルも展示

令和6年能登半島地震の被災地にある日本遺産

有楽町駅前では「日本遺産マルシェ」を開催!

有楽町駅前広場では2月10日(土)〜12日(月)の3日間、「日本遺産マルシェ」を開催しました。今年は東京交通会館1階のイベントスペースまでエリアを拡大し、73の日本遺産が全国から集結。それぞれのストーリーの魅力を、物販、試食、ワークショップなどでPRしました。今年は外国人の来場者も増え、日本遺産の魅力に触れていただく機会となりました。

各日本遺産のPRブースでは、個性豊かな衣装を見に纏い、ストーリーの魅力を発信。
日本遺産の地域で有名なお土産品や特産品の販売も行われました。
子どもから大人まで楽しめるワークショップも。
特設ステージでは、商品がもらえる◯×クイズや、民謡の演奏などが行われました。
◯×クイズ企画
日本遺産イベントではおなじみ・デカンショ節も披露

観光で被災地に訪れることも復興支援に繋がる!

小松市交流推進部文化振興課 岩本 信一さん

今回、令和6年能登半島地震の被災地となった小松市は、「『珠玉と歩む物語』小松
~時の流れの中で磨き上げた石の文化~」として日本遺産に認定されています。小松市交流推進部文化振興課 岩本 信一さんは、現地を訪れていただくことが大きな励みになると話します。

岩本さん:今回の地震で、小松市は震度5強の揺れがありました。それにより、日本遺産の構成文化財である建造物にヒビが入ったり、壁が剥落したりと、少なからず影響が出ており、復旧を今進めているところです。今回のイベントの出展もどうするか、慎重に検討しました。最終的には、今年の3月に北陸新幹線の開業を控えていることもあり『こういう時だからこそ、小松の日本遺産の魅力を感じてほしい』という想いで、今日はPRしています。大変ありがたいことに、募金の申し出をいただいたり、『何かしてあげたいんだけど、どういう形がよいのだろうか』とのお声を頂戴したりすることもあります。私たちとしては、小松に直接訪れていただき、小松ならではの魅力を感じながら、地元の方と触れ合って励ましの言葉をかけていただくだけでも、とても大きな力になります。小松は食べ物も美味しいですし、温泉もあります。他にはない魅力がたくさんありますので、ぜひお越しいただいて、それらを現地で感じていただきたいですね。


ぜひみなさんも、観光を通じた被災地支援として、現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。

【被災地域の日本遺産ストーリー】------------------------------------------------
・加賀前田家ゆかりの町民文化が花咲くまち高岡-人、技、心-
・灯(あか)り舞う半島 能登~熱狂のキリコ祭り~
・『珠玉と歩む物語』小松~時の流れの中で磨き上げた石の文化~
・荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~
・宮大工の鑿一丁から生まれた木彫刻美術館・井波
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今回、イベントに訪れていただいた方はもちろん、全国にある日本遺産に興味がある方は、日本遺産ポータルサイトからお気に入りのストーリー、訪れたい地域を見つけてみてください。日本遺産の日だけでなく、皆さんに日本遺産の魅力を発信するさまざまなイベントも定期的に開催しています。ぜひ、イベント会場にも足を運んでみてください。
 

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