江戸庶民の信仰と行楽の地
~巨大な木太刀を担いで「大山詣り」~SPECIAL CONTENTS
大山遠景
悠久の歴史のなか、変わることのない端麗な姿で、人々の心を魅了し、癒してきた、ふるさと伊勢原のシンボルである大山。 平地から見ても存在感のある大山は、古代から信仰の対象となり、「大山詣り」として、江戸の人口が100万人の時代に、年間20万人もの参拝者が訪れたと言われています。
別名「雨降山」とも呼ばれる大山は、雨乞いや五穀豊穣の祈願だけでなく、商売繁盛にも御利益があり、また、帰りがけに江の島などの観光地に立ち寄っても江戸から5日程度。レジャーも兼ねて気軽に出かけられたことが、粋で遊び上手な江戸っ子たちの心を捉えたのでしょう。
上:大山寺 下:山頂からの眺望
「大山詣り」の参拝者の多くは「講」と呼ばれる町内会や同業者組合による団体で、皆で費用を積み立て、お参りツアーとして「大山詣り」に出かけていたのです。その風習は現代まで引き継がれており、春先から夏にかけて多くの講が参拝に訪れ、行衣という白装束を纏った方々が参道を登る姿は江戸の風景を想起させます。
講をお迎えする宿坊の主人は、「先導師」と呼ばれ、先祖から代々引き継がれています。今では個室を備えた宿坊も増えており、一般のお客様も安心して泊まることができます。
先人が憧れ、楽しんできた「大山詣り」は、江戸の粋を今に伝える講の方々だけでなく、大山を訪れ、楽しむすべての人たちによって継承され続けていく文化です。
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11:00
1こま参道
両脇に土産店や茶屋が並ぶ参道を散策。お土産に名産品である手作りの大山こまを。
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11:30
2とうふ料理
参道沿いの宿坊で名物とうふ料理に舌鼓。
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12:30
3大山ケーブル駅
グッドデザイン賞受賞の新車両。体力・気力に応じて、「女坂」や「男坂」から登山も楽しめる。
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13:00
4大山寺
大山のお不動産として親しまれる大山寺。秋には美しい紅葉スポットとしても有名。
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10:35
5大山阿夫利神社下社
山岳信仰の中心、大山阿夫利神社の下社に到着。ミシュラン二つ星として紹介された眺望が楽しめる。余力のある人は山頂までの本格登山。