1300年つづく日本の終活の旅~西国三十三所観音巡礼~STORY #074
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2025.02.25
一般
西国札所の桜名所巡り
3月に入ると、そろそろ気になる桜の開花宣言。今年の桜は例年よりやや早めといいます。今回は、ひと足早く桜を楽しめる西国札所をご紹介します。
第2番札所「紀三井寺」
やがて紀三井寺の境内一帯がやさしいピンク色に染まります。これらの桜のルーツは、その昔、紀三井寺開基の為光上人が龍宮城に招かれ、龍神より授かった7つの宝物のうちのひとつ「七本桜」の苗木。龍神ゆかりの桜の苗木が、長い年月を経て、今では500本を超えるスケールとなりました。
松尾芭蕉は、紀三井寺を訪れたものの、桜が散り始めていたことを「みあぐれば 桜しもうて 紀三井寺」と詠んでいます。松尾芭蕉も紀三井寺の桜を楽しみにしていたのでしょう。
松尾芭蕉は、紀三井寺を訪れたものの、桜が散り始めていたことを「みあぐれば 桜しもうて 紀三井寺」と詠んでいます。松尾芭蕉も紀三井寺の桜を楽しみにしていたのでしょう。
第18番札所「六角堂頂法寺」
33のうち11の札所がある京都は、桜の多い町として知られ、そのほぼ中心に位置する第18番札所「六角堂頂法寺」の桜は、毎年3月の終わりには、だいたいもう咲いています。オフィスビルや新旧の商業施設が立ち並ぶ町の雑踏を逃れ、山門をくぐれば、手編みのニット帽とお揃いの赤いよだれかけをつけたお地蔵さんの列に、降り注ぐように咲くやさしい色のしだれ桜。寒い日は、隣接するスターバックスで、温かいコーヒーを飲みながら、ガラス越しに眺めることもできます。
また、同じ頃、京都御所の桜も見頃となります。六角堂頂法寺から御所まで少し距離はありますが、徒歩圏内。寺町通りを通れば、六角堂頂法寺の次の札所である第19番札所「革堂行願寺」に立ち寄ることができます。
第11番札所「醍醐寺」
豊臣秀吉による贅を尽くした「醍醐の花見」で知られる西国第11番札所「醍醐寺」も、比較的早くから桜が楽しめます。3月の河津桜の開花をスタートに、境内にある約700本もの桜が次々に開花。
石畳の参道は、ソメイヨシノのトンネルに。
霊宝館庭園では、樹齢180年を超えるしだれ桜「醍醐深雪桜」や、ポンポンと球状に花を咲かせる八重の「白山大手毬」をはじめ、様々な種類の桜が楽しめます。
石畳の参道は、ソメイヨシノのトンネルに。
霊宝館庭園では、樹齢180年を超えるしだれ桜「醍醐深雪桜」や、ポンポンと球状に花を咲かせる八重の「白山大手毬」をはじめ、様々な種類の桜が楽しめます。
また、樹齢100年を超え、かつては高さ11メートルの高さを誇っていた、京都で最高齢とされるソメイヨシノは、2018年の台風で一度倒れてしまったものの、今は新たなひこばえを伸ばし、生命力の力強さを見せてつけてくれます。
秀吉自身が基本設計をした三宝院庭園は、特別名勝と特別史跡の二重指定を受けており、その大玄関前にある「太閤しだれ桜」は、奥村土牛が「醍醐」に描いたことから、「土牛の桜」とも呼ばれています。土牛の絵からも分かるように、枠に収まりきらない迫力です。
第20番札所「善峯寺」、第6番札所「壷阪寺」
西山の中腹、京都の町を見渡す3万坪の広大な境内で、早咲きから遅咲きまで、約一ヶ月間に渡って桜が楽しめる第20番札所「善峯寺」。経堂近くの「桂昌院お手植えのしだれ桜」は、樹齢300年に及ぶ名木。また、山の斜面を活かした約3千坪の「白山桜あじさい苑」では、のどかでダイナミックなパノラマが楽しめます。
ダイナミックな景観といえば、ここは特に早咲きではありませんが、第6番札所、奈良の「壷阪寺」。高さ約20メートルの天竺渡来大観音石像をはじめ、巨大な石仏が点在する壷阪寺の境内は、春になると一面ソメイヨシノのピンク色で埋め尽くされます。桜の衣を纏ったように見える巨大な「桜大仏」は、特にフォトジェニック。毎年、ベストなタイミングで撮影しようとたくさんの人が訪れます。
西国札所では、この他にもたくさんの桜が楽しめます。この春、お気に入りの桜を見つけに、ぜひお出かけください。