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#029 飛騨匠の技・こころ
照蓮寺本堂
永正年間(1504年から1521年)の建立と伝えられるこの本堂は、書院造を基調とし、道場発祥の過程を物語る浄土真宗寺院最古の遺構である。旧荘川村中野(現在の高山市荘川町)にあって中野御坊と呼ばれてきたが、御母衣ダムが建設されることになり、昭和33年から35年にかけて現在地に移築された。延宝6年(1678)の棟礼や小屋束の墨書から、当時の流行であった本願寺式急勾配の屋根に改修されていたことがわかり、移築の際に創建当初のゆるやかな屋根に復元された。 杉柾目の柱に取られた大きな面、柱の上の美しい曲線を描く舟肘木、広縁内部の調和のとれた舞良戸と明障子など、仏壇構えの内陣と共に上品な雰囲気が漂う。
高山地域における中世の飛騨匠の活動を知ることのできる建物。旧所在地は上白川郷と呼ばれた飛騨の中でも奥まった所であり、飛騨山中における当時の建築活動の在り方を示す。浄土真宗の寺院では日本最古の建物といわれる。書院造の本堂は、一本の大杉を使って建てられたと伝わる。長さ7間の長大な梁や緻密な木目の板材など見どころが多い。
【文責】 高山市教育委員会事務局文化財課
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