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概要
二上山の山腹から西に伸びる尾根を開削して造営された石窟寺院跡。十三重層塔と石窟からなり、塔は高さ5.1メートルの規模で凝灰岩の岩盤から削り出したものである。石窟は間口3.06メートル、奥壁の高さ1.6メートルで、奥壁面に三尊仏を線刻する。三尊仏は蓮華座に坐し円光を負う同大の如来像である。塔の形式や付近で出土する土器から奈良時代の造営と考えられる。
ストーリーの位置づけ
鹿谷寺跡は岩屋とともに全国でもまれに見る大陸風の石窟寺院で規模は小さいが、中国の雲崗石窟や龍門石窟を彷彿とさせるもの。建立には古墳の石棺や都の宮殿につかわれた二上山凝灰岩の石材切り出しに関わった氏族が関与したとも考えられているが、文献記録などには全く残されておらず、まだまだ謎の多い古代遺跡である。
【文責】 太子町まちづくり推進部観光産業課