今熊野観音寺　本堂｜日本遺産ポータルサイト

#074 1300年つづく日本の終活の旅

いまくまのかんのんじ　ほんどう今熊野観音寺　本堂

京都府京都市

今熊野観音寺　本堂

所在地	京都府京都市

概要

もみじがトンネルのように生い茂る、赤い鳥居橋を渡った先、子供たちに囲まれて微笑む「子護弘法大師」像が迎えてくれる。唐で真言密教を学び帰国した弘法大師空海が、東山山中で熊野権現に出会い、観音像を託された。この像を、自ら刻んだ十一面観音像の胎内に納め、堂を建立したのが始まり。境内に湧く「五智水」は、空海が錫杖で地面を打つと湧き出したと伝わる。本尊は、熊野権現を厚く信仰していた後白河法皇の持病の頭痛を治したと伝わり、今も「頭痛封じの観音」として信仰されている。山腹に建つ、鮮やかな朱色の多宝塔は、医学に貢献した人々を顕彰するために建てられたもの。日本初の医学書「医心方」３０巻を平安時代に完成させた丹波康頼をはじめ、江戸時代の杉田玄白、貝原益軒、山脇東洋などを祀っている。多宝塔に至る道には、西国三十三所の石仏の祠が並ぶ「今熊野西国霊場」がある。