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#084 「鮭の聖地」の物語
西月ヶ岡遺跡
根室市街地の西郊外に所在する擦文土器の時代を中心とする集落跡である。洪積台地を開析して流れるキナトイシ川の小谷に向かって舌状に突出した3つの台地上に、約300基の竪穴住居跡が凹地をなして点在する。それらの竪穴の凹みは、正方形を基本とするが、長方形・楕円形・円形もみられ、とくに大形のものは正方形を呈している。竪穴群は、自然地形に即して、北丘の124基、中央丘の45基、南丘の57基がまとまりを示す支群を形成する。 昭和38年、東京教育大学と根室市教育委員会が発掘し、竪穴住居床面から擦文土器とともに内耳土器を発見した。また、栽培種と考えられるモロコシが検出され、擦文文化の性格を解明する上でも重要な資料となっている。
根室海峡に注ぐ河川河口を湊とする集落の典型。周辺にはNo.7の根室半島チャシ跡群の一つであるアツケシエトチャシ1号チャシ跡、同2号チャシ跡があり、この場所が古代からアイヌ文化期に至るまで、長期に渡 る暮らしの場であったことが解る。
【文責】 標津町教育委員会
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