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#001 近世日本の教育遺産群
長福寺本堂
廣瀬淡窓が最初に塾を開いた長福寺の本堂。1584年(天正12)頃に草創された浄土真宗寺院で、1607年(慶長12)に寺号を受けて筑前国下座郡三奈木(福岡県朝倉市)に堂を建立したことが伝わります。1637年(寛永14)に豆田町の現在地に境内を構えました。現在の本堂の建築年代は1669 年(寛文9)であり、九州地方において17世紀に遡る数少ない浄土真宗本堂です。近世初期の町割の構成をよく残す豆田町の形成期に遡る唯一の寺院として、歴史的にもまた景観上も重要伝統的建造物群保存地区の核となる遺構として重要です。 長福寺には、僧侶らが学ぶための学寮があり、出身僧侶が東本願寺(京都)の高倉学寮の講師になるなど、日田における学問の中心でした。淡窓も幼少の頃に長福寺で学び、その人間形成に影響を受けました。1805年(文化2)、淡窓は学寮の一室を借り受けて教授を始め、これが教育者としての第一歩となりました。
咸宜園教育の出発点。淡窓が最初に塾を開いた寺院の本堂が現存する。当時、出身僧侶が京都の高倉学寮の講師となるなど、日田における学問の中心であった。幼少時の淡窓はこの寺の僧侶に学び、その人間形成に影響を受けている。
【文責】 大分県日田市教育庁世界遺産推進室
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