「いざ、鎌倉」~歴史と文化が描くモザイク画のまちへ~STORY #025

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鶴岡八幡宮 「いざ,鎌倉」 「いざ,鎌倉」
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鎌倉文学館 「いざ,鎌倉」 「いざ,鎌倉」
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2025.02.25

一般

長く愛され続ける工芸品 鎌倉彫とは

鎌倉市の日本遺産ストーリー「いざ、鎌倉~歴史と文化が描くモザイク画のまちへ~」は、鎌倉時代から続く社寺、明治時代以降の別荘、文士が残した芸術文化など、たくさんの見どころがあります。
今回は、その中でも鎌倉市の伝統的工芸品でもある「鎌倉彫」にフォーカスしてご紹介します。
鎌倉彫とは

画像:唐草文茶櫃 唐草文茶櫃

写真のような、陰影のある彫りや、何度も漆を塗り重ねることによって生み出される深みのある色調を特徴とした、長く愛されている工芸品です。
元々は、鎌倉時代、禅宗とともに宋から伝わった美術工芸品に影響を受けた仏師達が、仏具として作り始めたのがはじまりです。その後、明治時代、横須賀線の開通とともに鎌倉市は別荘地として栄え、鎌倉彫も訪れる人々への日用品やお土産として作られるようになり、現在の姿へと発展していきました。

現在はお箸やブローチなど、幅広い品が作成され、鎌倉市には多くのお店が並びます。

画像:寸松堂 寸松堂

寸松堂

鎌倉市笹目町5番1号

画像:白日堂 白日堂

白日堂

鎌倉市長谷3丁目12番19号
鎌倉彫の魅力と技術
鎌倉彫の木地づくりには、製材や自然乾燥、ロクロでの荒挽き等の多くの工程を経て、なんと1年から数年かかることもあります。
そこから、ルーター加工等の木工技術により多様な木地が作られます。現在の生活に合ったお箸やブローチ、お盆などの製作の裏には、土台となるしっかりとした木地づくりの技術による支えがあります。

画像:多品種の木地 多品種の木地

また、鎌倉彫は、その彫りが大きな特徴です。
青竹という染料で薄い和紙に図案を写し取り、木地に転写した下絵に沿って、小刀で切り込みを入れていきます。このたち込みの角度により、図の遠近感やボリュームなどが表現されます。
さらに、たち込んだ線の外側を、小刀(こがたな)または平刀(ひらとう)といった色々な刀で落とすことにより、文様部分を浮き上がらせることができます。

画像:絵付け 絵付け

画像:たち込み たち込み

写真を見ると、地の部分に彫り跡を見つけることができます。文様の彫りと調和した刀痕をつけ、彫り跡を残すというのが、鎌倉彫の特徴の1つです。

画像:丸盆 丸盆

鎌倉彫の魅力として、長く使い続けることができる、という点があります。
それを可能にするのが、漆塗りの技術です。
漆の木から採取したそのままの樹液を生漆(きうるし)と言いますが、この生漆を全面に塗り、しみ込ませることによって塗膜の基礎を作ります。そこから、下地塗り、中塗り、上塗りと何度も塗りや研ぎを繰り返します。表面が落ち着いたらマコモという植物の種子の粉を蒔き付け、乾いた後よく磨くと、写真のような、全体に古色がかった落ち着いた色調になります。この後、さらに生漆の塗り付け、布で拭き取る作業を繰り返し、艶を出して完成となります。

画像:研ぎ 摺漆 研ぎ 摺漆

たくさんの工程を経て完成する、彫り、色合いが調和した鎌倉彫。
そこには多くの技術がありますが、鎌倉市では、購入だけではなく、鎌倉彫の体験教室も開催されています。
ぜひ鎌倉彫の技術を肌で感じてみてください。

画像:鎌倉彫工芸館 画像:鎌倉彫工芸館

鎌倉彫工芸館

電話番号:0467- 23-0154
住所:鎌倉市由比ガ浜3丁目4番7号

鎌倉彫工芸館の公式サイトはこちら

画像:鎌倉彫資料館 鎌倉彫資料館

鎌倉彫資料館

電話番号:0467-25-1502)
鎌倉市小町2丁目15番13号 鎌倉彫会館3階
 

鎌倉彫資料館の公式サイトはこちら

もちろんいろいろなお店を見て回る楽しみ方も、鎌倉での1日を充実したものにしてくれると思います。
ぜひ鎌倉に来て、お気に入りの逸品を見つけてみて下さい。

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