津和野今昔~百景図を歩く~STORY #013
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【津和野百景探訪1】津和野城跡 津和野百景図第一図 三本松城
幕末の津和野の名所を描いた津和野百景図の100枚の風景のうち、半分以上の風景が残っている、津和野。幕末の景色を実際に見たり、歴史のつながりや現在の暮らしに息づく伝統文化を体感できる、かけがえのない日本遺産のまち、それが津和野です。
さて、現在の津和野に残る幕末の景色を伝えていく津和野百景探訪第1弾は、津和野百景図第一図の三本松城(津和野城)です。
津和野城は、能登国からやってきた吉見頼行(よしみ・よりゆき)が永仁3年(1295)に築城したのがはじまりで、3代直行が増築した。つまり鎌倉時代から開発されてきた山城で、慶長5年(1600)に坂崎出羽守直盛が城主となり、元和3年(1617)に鳥取鹿野城主だった亀井政矩が転封されて明治4年(1871)の廃藩まで亀井氏が城主を務めました。明治7年(1874)に建物は解体されたものの、石垣や竪堀などの構造物がよく残り、中世から近世にかけての変遷がよく分かる全国的にも貴重な文化財です。
観光のお客様から「石垣しか残ってないんでしょ?」と残念そうな声をかけられることも多いのですが…。城の全域にわたって構造物が残っており、古代遺跡のような雰囲気を醸し出すのは見ものだとオススメしています。石垣からの城下町の眺めも抜群で、この景色をもとに、さだまさしさんが名曲「案山子」の歌詞を書いたほど。
三本松城は、1687年に落雷で天守閣を焼失していますので、地元の人にとっては天守閣のない姿こそ、愛着のある景色と言えます。現在修復作業に入っていますが、新緑の時期、紅葉の季節、1年中見ごろのスポットです。https://tsuwano100.net/blog/290 続きを読む