関門“ノスタルジック”海峡~時の停車場、近代化の記憶~STORY #052

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関門海峡遠景 関門海峡遠景 関門海峡遠景
門司港駅と噴水広場 門司港駅と噴水広場 門司港駅と噴水広場
下関南部町郵便局庁舎と旧秋田商会ビル 下関南部町郵便局庁舎と旧秋田商会ビル 下関南部町郵便局庁舎と旧秋田商会ビル
ふくの薄造り ふくの薄造り ふくの薄造り
旧下関英国領事館 旧下関英国領事館 旧下関英国領事館
部埼灯台と関門海峡 部埼灯台と関門海峡 部埼灯台と関門海峡

みどころspot

  • 旧サッポロビール九州工場 事務所棟、醸造棟、組合棟、倉庫[構成文化財]

    旧サッポロビール九州工場 事務所棟、醸造棟、組合棟、倉庫[構成文化財]

    現在の門司麦酒煉瓦館は帝國麦酒株式会社の事務所として建てられました。現存する国内最古の鉱滓煉瓦を使った建物です。鉱滓煉瓦とは、鉄を作るときに出る滓を再利用して作られた煉瓦のことで、最近ではほとんど見られません。
    建物はゴシック建築で、左右対称かつ縦軸を強調した鋭いスタイルが特徴です。建物内部にある天井や繰形の形式、壁の装飾やマントルピースの仕様は部屋ごとに異なります。
    事務所棟と同じく地域のシンボルとなっている醸造棟は、現存する赤煉瓦建築としては国内最大級の7階建。雄大な外観や工場建築に珍しい連続アーチ窓が見どころです。
    内部には戦前のドイツ製醸造機器が保管されています。春と秋の年2回、一般公開されています。

    福岡県北九州市門司区大里本町3-6-1
    093-382-1717
    https://www.japanheritage-kannmon.jp/bunkazai/index.cfm?id=17

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  • 門司郵船ビル(日本郵船門司支店)[構成文化財]

    門司郵船ビル(日本郵船門司支店)[構成文化財]

    いく度かの改修工事を経て、外観はかつての装飾性は失いましたが、建物の細部にはアール・デコ様式の影響を少なからず見ることができます。玄関ホールの中央には三角の飛び出た緑色のタイル壁がデザインされ、床にモザイクタイルで幾何学模様が描かれています。
    何よりも目を引くのがエレベーターです。鉄骨枠組みに直接、格子状の金網が取り付けられ、鉄骨の枠組みが外から丸見えの構造になっています。機械化の時代迎えたことを予感させるエレベーターの存在は、当時の人々を驚嘆させました。
    階段の鉄製グリルにも、アール・デコのデザインが見て取れます。郵船ビルにわずかながら残された意匠に、時代の雰囲気を感じることができます。

    R4.7.1に門司郵船ビルからJP門司港ビルに名称変更されました。


    福岡県北九州市門司区港町7-8
    https://www.japanheritage-kannmon.jp/bunkazai/index.cfm?id=3

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  • 中国・大連をはじめ、世界各地を結ぶ国際航路の旅客ターミナルとして建てられた—旧大連航路上屋[構成文化財]

    中国・大連をはじめ、世界各地を結ぶ国際航路の旅客ターミナルとして建てられた—旧大連航路上屋[構成文化財]

    チケットブースは昭和初期頃に流行した書体を使い、「階上待合室」と「階下旅具検査場」という文字が陽刻で表示されています。陽刻とは、文字と輪郭を残して他を削り取る彫り方のこと。文字の彫り方からは単なるサインではないデザイン性が感じられます。
     構法で注目すべき点はガラスブロックを使用した明かり採りの採用や鉄筋コンクリート技術です。ガラスブロックは東立面の庇部分に見られます。
     また、鉄筋コンクリート技術を用いているのは近代建築ならでは。正面入り口の庇や建物内部のアーチや装飾、雨水を処理するための特殊な雨どいにも注目を。

    福岡県北九州市門司区西海岸1-3-5
    093-322-5020
    https://www.japanheritage-kannmon.jp/bunkazai/index.cfm?id=7

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  • 関門海峡西端に設置された洋式灯台—六連島灯台[構成文化財]

    関門海峡西端に設置された洋式灯台—六連島灯台[構成文化財]

    関門海峡には灯台の築造に先立ちブイや石の標識—礁標が設置されました。明治4(1871)年に設置された礁標は、明治20年代には礁標の頂部に明かりが灯せる挂灯立標に改造されます。
    六連島灯台ができた当初は日本人だけでは明りを維持する技術がなく、点灯後も英国人の技術者の指導のもと、日本人の灯明番が灯火を守っていました。しかし、“お雇い外国人”と呼ばれた外国人技術者は明治期半ばに撤退。挂灯立標は日本人技術者の手で造られました。日本人技術者が育ち、新しい灯が灯せるようになってきたのです。
     さらに大正期に関門海峡の改良工事がスタートすると挂灯立標は灯台として移築されました。
    灯台はこれまで幾度となく灯器の改良が繰り返されていますが、外観と内観は建設当時のまま。下関の近代海上交通史を語る上で貴重な構造物です。




    山口県下関市六連島
    093-321-1481
    https://www.japanheritage-kannmon.jp/bunkazai/index.cfm?id=39

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  • 旧宮崎商館[構成文化財]

    旧宮崎商館[構成文化財]

    まず、通りに面するファサードを見てみましょう。1階中央の玄関には、赤い煉瓦と白い花崗岩の迫石を交互に使ったアーチを設けています。玄関左右の窓枠は、切石の楣と窓台を延ばした水平帯で立面を引き締め、単調になりがちな外観に変化を与えています。
    2階ベランダは、角柱で支えられ要石を入れた5連アーチが特徴的。柱頭や要石に白い花崗岩が使用されています。また、アーチに用いられた役物煉瓦は角に丸みをもたせています。このような細かい細工にも目を向けてみてください。
    軒先のコーニスにも注目してください。この装飾はデンティルと呼ばれ、歯型のように見えます。このコーニスのほか、玄関のアーチの迫石や窓枠、水平帯に花崗岩を用いる点は、旧下関英国領事館と同様です。

    山口県下関市田中町4-10
    083-231-1350
    https://www.japanheritage-kannmon.jp/bunkazai/index.cfm?id=32

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