関門“ノスタルジック”海峡~時の停車場、近代化の記憶~STORY #052
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アインシュタイン博士も宿泊! 三井物産の優雅な接客施設 ―旧門司三井倶楽部(構成文化財)
門司港駅を出て正面に見える、威風堂々とした建物。5つの切妻屋根が特徴的な旧門司三井倶楽部は、大正10 (1921) 年に、三井物産株式会社門司支店が門司港山手の谷町に建設した接客施設です。
洋風の本館1階はホールを中心に、食堂、応接室、客間が配置され、2階には居間や寝室や浴室があります。また、附属屋にはサービスのための設備が備わり、管理人などの住居として使用されていました。
まずは優美な外観を見てみましょう。外壁は瓦張りの下地の上に、1階は人造石洗い出し壁。2階はドイツ壁と呼ばれる表面が凹凸のモルタル掃付け壁が施されています。ドイツ壁は当時の流行で、変化に富んだ外観を生み出しています。
また、1階玄関ロビーやステンドグラス、床のモザイクスタイルは当初のまま残っています。竣工直後の大正11(1922)年にアインシュタイン博士夫妻が宿泊した部屋も当時の姿に完全復原されました。気品あふれる居間や寝室など豪華な部屋はとてもロマンチック! シャンデリアや建具にぜひ注目を。
建物は平成2 (1990) 年に北九州市が譲り受け、本館と附属屋をJR門司港駅前に移築しました。現在、1階には門司港を代表するふぐ料理店が経営するレストラン「三井倶楽部」やイベントホールがあり、2階には「アインシュタイン・メモリアルルーム」や門司出身とされる女流作家・林芙美子の「林芙美子資料室」があります。当時のままの華やかな雰囲気を体感してください。北九州市門司区港町7-1 093-321-4151 http://www.mojiko.info/spot/mitui.html 続きを読む